プロプレイヤー紹介

【Arve Henriksen】尺八を想わせる幻想的な音色で魅了する、即興プレイヤー

はじめに。

こんにちは、けんちゃんです。

今回は独特な音色と奏法で不思議な世界観を作り出している、ノルウェーのトランペッターArve Henriksen(アルヴェ・ヘンリクセン)を紹介します。

はじめて彼の音楽を聴く人は、「これ、本当にトランペットの音なの!?」と驚くこと間違いなしです。

聴いていると、今不思議な森の中に迷い込んだような、異次元の空間に放り出されるような音楽体験をすることができます。

そんな、異色のトランペッターを紹介していきます。

Arve Henriksen(アルヴェ・ヘンリクセン)の略歴


1968年、ノルウェーのStranda(ストランダ)に生まれました。

1987年にトロンハイム音楽院に入学、ジャズプログラム・音楽教育学を学びながら、1989年からトランペッター・インストゥルメンタリストとして活動を開始しました。

日本の伝統音楽(特に尺八)に影響を受けているようで、1stソロアルバムで出している”Sakuteiki”は、11世紀(平安中期)の著書とされる『作庭記』に影響を受けて作成されているようです。

琴奏者の小田村さつき、ロックバンドのMotorpsychoなど、幅広い音楽ジャンルのプレイヤーとのコラボ演奏歴を持っています。
先鋭的なフリー・ミュージック・グループ(Free Musicとは、1960年代頃から生まれた音楽ジャンルの一派。即興的な音楽スタイルが前面に出た音楽を行う集団がここに属されている。)やSupersilent(スーパー・サイレント。1997年に結成されたArrve含む3人の前衛即興音楽グループ)の創立メンバーとしても活躍しています。

作り出してきた作品は140レコードを超えており、2005年にはNorsk Jazzforums Buddy Award、2007年にRadkaToneffs Memorial Award、2011年にはNorth Sea Jazz FestivalのPaul Acket Award・Kongsberg JazzfestivalのMusician Awardなどを受賞。

2016年には、Gothenburg University(イェーテボリ大学)の名誉博士を授与しています。

最近知ったばかりなのですが、すごい経歴・キャリアを積み重ねてきた巨人だ・・・と震撼しています。

なかなか馴染みにくい音楽スタイルで、知っている人は相当な音楽通に熱烈な支持を受けている名プレイヤーです。

次に彼の世界観を楽しめる演奏を紹介していきたいと思います。

Arve Henriksen(アルヴェ・ヘンリクセン)の音楽


一つ前のところで紹介したように、彼の音楽はFree Musicと呼ばれる前衛的な即興音楽が主体になっています。

馴染み深いポップ・ミュージックのようにストーリーや歌詞が分かりやすくあるものではなく、「音」そのものを楽しむ音楽です。

ジャズも根底はそこに近いですが、モダンジャズよりさらにとっつきにくい音楽であることは間違いありません。。。

ですが、彼の音楽はトランペットという楽器の更なる可能性、表現の広さ、音色の多様性を教えてくれます。
食わず嫌いせず、作業用音楽として最初に取り入れていくところから関わっていけると良いかと思います。

次第に、癖になってハマってくること間違いなしです。笑

では、私が最近度肝抜かれた演奏などを中心に紹介していきます。(一つ前の章で書いたように、140を超える作品を世に出している方なので、まだまだ名作は沢山あるかと思います。これから私も聴き混んでいく中で、より良い演奏があれば追記していきたいと思います)

Solo albums 関連

Groundswell

Groundswell

Groundswellとは、波の大うねりを意味する言葉です。まさにこの動画のような映像がぴったりの楽曲です。

「これ、トランペットなの???」と一番最初に度肝を抜かれ、その音の不思議な魅力に圧倒された演奏でした。

以下の動画は、Groundswellが入っているalbum”Towards Language”のアルバムです。

Bird’s-eye-view

Bird’s-eye-view

こちらはalbum”Chiaroscuro”に入っている、Bird’s-eye-viewという曲です。

Arve Henriksen好きには怒られそうですが、ゼルダの伝説、風のタクトの森の島に流れているような曲です。(分かりにくくてすみません笑)

森の木々が静かに風で小波を立てているんだけれど、その中には多様な生物がいて、それらがささやき存在感を感じさせてくるような情景が浮かんでくる曲です。

彼の曲は、目を閉じてリラックスした状態で聴くのにすごく適している音楽だなあと思わされる名曲ですね。

Blue silk – Live ver

Blue silk – Live

こちらは、Arve Henriksen(アルヴェ・ヘンリクセン)のライブ演奏です。

本当にトランペットで尺八みたいな音を出しているんだ。。。と実感できる演奏です。

音一つ一つが、うねうねと動く生々しい生き物のような音に感じられます。
途中のArve Henriksen(アルヴェ・ヘンリクセン)の美しい高音の声も、深い森の中に誘われるかのような静かで透明感のある音をしています。

6:13あるんですが、聴き入ってあっという間に時が立つ感覚に陥るかと思います。

Supersilent

Supersilentとは、Arve Henriksen(アルヴェ・ヘンリクセン)とelephant 9のリーダー/kbd奏者にしてモーターサイコと度々共演するStale Strlokken、そしてテープ・エフェクターのHelge Stenからなる、実験音楽を試みているバンドです。

この音楽に関する歴史や動きは疎いため語ることができないですが、コンセプチュアルアートと呼ばれる現代芸術と同じく、音楽で哲学的な問いを投げかけて「音楽とは何か?」を問う音楽形態の一つになるものかと思います。

Supersilent – 1.3 (結構びっくりすると思うので、再生する際は注意!)

Supersilent – 1.3

もはやトランペットはどこだ?という曲ですが笑、Supersilentの演奏の中で一番再生回数が多いものを持ってきました。

Silentとは???と思わされるものですが、是非試しに聴いてみてください。
こういう音楽ジャンルもあるんだ。。。というのは、意外と自分の視野を広げる機会にもなるんだなと思いました。(私自身も初めてこういう音楽ジャンルに触れるきっかけになりました笑)

以下のは、Live演奏です。
即興音楽の不思議な空気感が伝わってくる良い演奏だと思います。

SuperSilent / Bergen Jazzforum

最後に。


今回は異色のトランペッター、Arve Henriksen(アルヴェ・ヘンリクセン)を紹介しました。

普通に吹奏楽やジャズに触れ合っているだけでは、出会えない演奏家ではないかなと思います。
こういう音を奏でている人もいるんだな、、、という体験は、自分の音楽体験や視野を広げてくれるものです。

彼の音世界の魅力にハマるきっかけになったら幸いです。
ありがとうございました。

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