プロプレイヤー紹介

【Bobby Shew】教育者・プレイヤーとして多大なる影響を残す THE・ リードトランペッター

はじめに。


こんにちは、けんちゃんです。

今回は、Arturo Sandoval(アルトゥーロ・サンドゥバル)と並ぶアメリカのトランペット界の巨人、Bobby Shew(ボビー・シュー)について紹介します。

プレイヤーとしてだけではなく教育者としても多くのトランペット奏者に影響を与えており、エリック宮城も演奏に悩んでいた際、彼のアドバイスを受け奏法を見直すことで克服することが出来たとインタビューで語っています。

美しく輝く、輪郭のはっきりとした音で縦横無尽のフレーズを吹き切り、力強く響くハイノートも駆使する彼のプレイは本当に素晴らしく刺激を受けること間違いなしです!

Bobby Shew(ボビー・シュー)の略歴


1941年、アメリカ合衆国ニューメキシコ州Albuquerque(アルバカーキ)に生まれました。

8歳でギター、10歳でトランペットを始めてています。

13歳になるまでに、多くのバンドと一緒に地元のダンスで演奏、15歳の頃には自分のバンドを持ってジャズコーヒーハウスなどでも演奏し、プロとしてのキャリアを若くから積んでいたようです。


1960年に大学を卒業した後に米軍に徴兵され、有名なNORAD(米軍航空宇宙防衛司令部)のジャズトランペットソリストとして3年間を過ごしました。

軍を去った後は、Tommy Dorsey(トミー・ドーシー)のバンドに加わり、1960年代半ばから後半にかけてはBill CHase(ビル・チェイス)の勧めでWoody Herman(ウッディ・ハーマン)のバンドに、そして結成したばかりのBuddy Rich(バディ・リッチ)のBigbandで演奏しています。


この頃はラスベガスに住み、様々なホテルやカジノでの演奏でリードトランペットとして有名でした。
今の演奏の中にもある美しく力強いハイノートは、この時代のリードトランペットとしての活動が大きく影響しているようです。

1972年に活動拠点をラスベガスからロサンゼルスに移し、1970年代の終わりまでの時代のトップビックバンド(例えば秋吉敏子、Lew Tabackin(ルー・タバキン)、Benny Goodman(ベニー・グッドマン)、Maynard Ferguson(メイナード ・ファーガソン)など)と演奏しています。


1978年に発表した「Telepathy」を皮切りにして、リーダーとしてレコーディング活動を開始しています。

1980年に発表した「Outstanding In His Field」にグラミー賞にノミネートされ、1983年発表の「Heavy Company」なニュージーランドのレコード産業協会(RIANZ)からジャズアルバムオブ・ザ・イヤーを受賞しています。


この個人での演奏活動に加え、かなりの時間を使って教育に積極的に関わり世界中の高校や大学に飛び回り、クリニックやマスタークラスを実施しています。

私も中央大学がクリニックを受けた後に、赤坂Bフラットで演奏していた時に聴きに行きました。
本当に70代!?と驚愕するほど力強い演奏で会場を沸かしていました。


一流の演奏家であり、世界的な教育者のBobby Shew(ボビー・シュー)の演奏を紹介していきたいと思います。


Bobby Shew(ボビー・シュー)の名演奏


彼の演奏の最大の魅力は、縦横無尽にハイノートも織り交ぜて繰り出される美しいフレージングです。


ハイノートヒッターとしてArturo Sandvalやエリック宮城を紹介しましたが、彼らとはまた違った魅力を持つ素晴らしい演奏を沢山残しています。


ハイノートをハイノートと感じさせないというか、フレーズの中で一つの効果的な音として、違和感なく魅力的に聴かせられる演奏は、彼が持つ最大の魅力だと思います。


最初に紹介している、Minuanoという曲でのBobby Shewの演奏は彼の魅力を強く感じられるものになっています。(大好きすぎて何十回と繰り返して聴きいってしまう最高の演奏です。。。)

Bobby Shew – Minuano (Six Eight) Trumpet Solo

この演奏は、著名なギタリストのPat Metheny(パット・メセニー)の名曲”Minuano”をBob Curnow’s L.A. Big BandがBig Bandアレンジして演奏している曲です。

その中でBobby ShewがSoloを演奏し、譜面に起こしている動画になります。

縦横無尽に駆け抜けていく疾走感ある曲の中で、本当に素晴らしいフレージングでハイノートも美しく力強い響きを出しています。

本当に大好きな演奏です!

Minuano Trumpet Solo

A Night in Tunisia


Bobby Shewは、実は頻繁に来日しているようです。

私がBig Bandサークルで活動していた時、いくつかの大学のBigbandサークルでクリニックしたり、彼を混ぜた演奏を赤坂Bフラットというジャズバーで何回か演奏していた記憶があります。

実際に聴きに行った時に彼が演奏していたのが、ここで紹介している”A Night in Tunisia”です。

もう歳としても70代後半を超えているというのにも関わらず、この動画での名演奏のように力強いハイノートで会場を盛り上げていました。

中央大学のクリニック後の演奏は同じアレンジでA Night In Tunisiaを演奏していました。
4:31以降のハイノートでHigh Asがズバーン!っと身体に響いた記憶を覚えています。笑

Blue as a tribute to the great trumpet player Blue Mitchell

次に紹介するのは、Louie Bellson Bigbandでフィーチャーされて演奏した”Blue”という楽曲です。


Blue Mitchell(ブルー・ミッチェル)は1950~60年代まで続いた演奏スタイルのハード・バップ期に人気を集めた名トランペッターです。

透き通るようなクリアで明るい音色のプレイヤーで、私も大好きな演奏家の一人です。

彼に賛辞を捧げて演奏されるこの演奏は、少なからずBlue Mitchellを意識したフレージングが垣間見れます。

最後の方はBobby Shewらしいハイノートを織り交ぜたフレージングで会場を沸かしています。
Flugelhornで演奏しているのですが、後半は結構Trumpetらしさが際立ってしまっているかな?と少し思いますが笑、フィーチャー曲でここまでバンドを引っ張って力強いバラードの名演奏は中々ないなあと思い、紹介しました。

Bobby Shew Louie Bellson Blue

Cinderella’s Waltz

最後に紹介するのは、同じくLouie Bellson Big Bandでの演奏である”Cinderella’s Waltz”という楽曲です。

軽快なWaltzと疾走感のある明るい曲で、数あるBigBandの楽曲の中でも大好きな曲の一つです。

そこで繰り出されるBobby ShewのFlugelhornでのSoloが素晴らしすぎて。。。!

2:20~からのフレーズは、アドリブで作り出したフレーズなの!?と驚きの情緒豊かな印象的な名フレーズだと思います。
ハイテンポでかつワルツという、ソロが中々取りにくい曲でこれだけ心に残る素晴らしい演奏をできるのは本当に素晴らしいなあと思います。。。

Cinderella’s Waltz

最後に。


今回は一流の演奏家であり、世界的な教育者のBobby Shew(ボビー・シュー)を紹介しました。

確かな技術で、芯のある美しいトランペットらしい音を奏でる素晴らしいプレイヤーです。
もうすぐ80歳も近いですが、いまだに力強く人を感動させるハイノートやフレーズで人を魅了し続けています。

チャンスがあったら是非、彼の生音を聴いてみて欲しいです。


ありがとうございました。

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