考えてみた。
……なんで、社会はこんなに不平等なんだろう。
お金を持っている人と持っていない人で、できることが全然ちがう。
学歴があるとないとじゃ、歩める道の選択肢が全然ちがう。
……なんで、やりたくないことをやらなきゃいけないんだろう。
……なんで、お金を稼ぐ、というそれだけのために、生活のほとんどの時間を費やさなければいけないんだろう。
……なんで、助けを求める人がたくさんいるのに、みんな素通りしていくんだろう。
それどころか、SNSでは助けを求める声さえも、コンテンツとして遊ぶための道具にされている。
……なんで、素晴らしいアーティストや音楽家が世の中に溢れているのに、だれもそれに気づかないんだろう。
そんな人たちが好きなことをできずに、バイトで生活費を賄っているんだろう。
……なんで、みんな自分の利益を守るために必死になっているんだろう。
そうしたって、疲れるだけなのに。
……そんな生き方を、変えられないだろうか?
★
そう思って、改めて自分の周りを見直してみる。
すると、自分は思った以上に「人の優しさ」に触れていることに気づく。
友達から紹介してもらったおすすめ動画。
なんで、自分におすすめしようと思ったんだろう?
母親がいつもきれいに洗濯してくれる服。
給料も何も出ないのに。
コンビニで店員さんに言ってもらった「ありがとうございます。」の一言。
マニュアルかもしれないけど、あの笑顔が気持ちよかった。
それは、意識するまで気づかなかったこと。
そういう優しさの裏側にあるものは、なんだろう?
それらの大半は、「無償」の優しさ。
お礼を言われることを期待するわけでも、報酬をもらうことを期待するわけでもない。
ただ、そうしたいから、する。
誰かに何かをしてあげたい。
大切な、誰かに。
……それは、「愛」と呼んでもいいかもしれない。
そう、ぼくらの周りには、思った以上に「愛」があふれている。
スピリチュアルでも怪しげな宗教でもなんでもない。
人が、人に対して(あるいは自分の周りのあらゆるものに対して)抱く、自然な感情。
たぶん、誰でも持っているもの。
だけど、それは普段は見えなくなっている。
自分のことで手一杯のとき、人の愛には気づけない。
だけど、ぼくらは気づけた。
世界にあふれている、見えない愛に気づけた。
なら、そこから始めてみよう。
★
ぼくらの周りには、愛が溢れている。
そして、ぼくらはその愛を知らず知らずのうちに受けて、生きている。
なら。
その愛に気づけたぼくらは、その受けた愛をまた誰かに与えるべきじゃないか?
友達からプレゼントされたら、今度は自分もプレゼントしようと自然に思えるじゃないか。
そうやって、気持ちの良い人間関係ができるじゃないか。
そうやって、人は幸せな気持ちになるじゃないか。
この社会全体が、そういう「愛の交換」を素直に行えないのか?
……よし、わかった。
誰もやらないなら、ぼくらがそれをやろう。
「愛を与え続ける」ことを、やってみよう。
幸い、ぼくらにはその愛を与えたい人たちがいる。
トランペットに関わるすべての人。
そして、素晴らしい音楽を作り続けるすべての人。
その人たちの中に、声なき叫びを上げている人たちがきっとたくさんいる。
まずはその人たちに、ぼくらができる精一杯のことをしよう。
真剣に、与え続けよう。
最初のうちは、まったく見返りがないかもしれない。
愛を与えたつもりになっても、気付いてもらえないかもしれない。
でも、それがなんだって言うんだろう?
誰からも強制されてるわけじゃない。
ぼくらは、好きで与え続けるんだ。
きっとそれが、ぼくら自身の生き方を良い方向に変えていく。
そう思ったから、やるんだ。
ぼくら自身も、ぼくらにとって大切な人も、両方幸せにするために。
アンサングヒーローズ
突然小説じみた文章から始まったのでびっくりしたかもしれません。
上に書いたのは、トラ道のメンバーがこれでもかというくらいじっくり話し合った結果、導き出した信念についてのエピソードです。
そこに至った道筋のひとつを、みなさんに共有しました。
やたらと、愛だとか与えるだとか胡散臭げなワードが出てきたなーと感じるかもしれません。
でも、それがトラ道が信じようと思ったことなんです。
嘘偽りなく。
ぼくらは、悩みを抱える音楽家のためにできることをしたいと思った。
理由は、自分たちがそうしたいから、それだけです笑。
ようは、究極のお節介なのかもしれません。
さて、もうちょっとその内容について語りたいところですが、それはこれから新しい記事でしていくことにして。
トラ道のメンバーで話し合っている最中、この信念に対して名前をつけてあげようと言うことになりました。
そして、一つの言葉がバチっとはまりました。
それは、
「アンサングヒーローズ」
というもの。
英語だとUnsung Heroes。つまり「歌われないヒーローたち」という意味。
ヒーローたちとは、日本中のトランペッターや音楽家のこと。
音楽を愛すすべてのひとのこと。
そして、トラ道自身のこと。
トラ道自身は、目立たない存在。
トラ道自体が圧倒的なコンテンツを生み出すのではなく、「何かと何か」をつなぐことで誰かの役に立つ存在(=触媒)だから。
だから、ぼくらはアンサングヒーローズ。
誰かに与え続けることで、誰かを幸せにする。
そして、その誰かの幸せで、自分たち自身も幸せになってやる。
これが、トラ道の信念です。
最後に、一つだけ皆さんにおねがいです。
この記事に書いていることは、ぼくたちトラ道のメンバーが何度も何度も話し合って考え抜いた末に出した、嘘偽りのない信念です。
つまり、これから先トラ道にどんな未来が待っていようとも、「これだけは信じよう」とお互いに約束した誓いです。
だから、これを読んでくれている皆さんには、この記事の内容が「トラ道そのもの」だと思って欲しいんです。
正直、この一回で書き切れる内容とは思ってません。たぶんこれからも何度も更新したり、新しく上げ直したりすると思います。
でも、コアの部分はここで書かれていることから大きくは変わらないと思います。
アンサングヒーローズ。
ぼくらが目指す、かっこいい未来の姿です。
あなたも、共感してくれたら良いな。
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